病院やクリニックで診察を受ける際、薬をその施設内で直接受け取る「院内処方」と、外部の調剤薬局で受け取る「院外処方」の2つの方法があります。
それぞれのメリットやデメリットを正しく理解し、自分に適した方法を選ぶためのポイントを詳しく解説します。
そもそも「院内処方」「院外処方」とは何か?
医療機関で薬が処方される場合、大きく分けて2つの方法があります。
- 院内処方:病院や診療所が直接、施設内で薬を調剤し、患者に提供する方式です。診察を受けた後、そのまま薬を受け取れるため、利便性が高いとされています。
- 院外処方:医療機関は薬の処方せんのみを発行し、患者が外部の調剤薬局で薬を受け取る方式です。薬剤師が専門的な調剤を行い、薬について詳しく説明を受けることができます。
現在の日本では院外処方が主流ですが、小規模な診療所などでは今も院内処方を行う施設が多く存在します。
院内処方のメリット
院内処方には以下のようなメリットがあります。
- 診療から薬の受け取りまで一ヶ所で完結:移動の手間がなく、患者の負担が少ないです。
- 時間の節約:処方せんを持って薬局に行く必要がないため、待ち時間や移動時間が短縮できます。
- 費用面でのメリット:調剤薬局での手数料がかからず、薬局で支払う「調剤基本料」や「薬剤服用歴管理指導料」などが発生しないため、院外処方より費用が安くなる場合があります。
- 高齢者や体調が悪い患者に優しい:病院で完結できるため、体調が優れない方や高齢者にとって便利です。
院内処方のデメリット
一方で、院内処方には以下のデメリットがあります。
- 薬の種類が限られる:病院内に常備できる薬の種類や量には限界があり、患者の選択肢が狭くなることがあります。
- 専門的な薬剤情報提供が不足しがち:医師や看護師が薬を提供することが多く、薬剤師からの専門的な説明や服薬指導を十分に受けられない場合があります。
- 待ち時間が長くなることがある:診察と薬の受け取りが同一施設内で行われるため、混雑時には調剤待ちで時間がかかることがあります。
- 薬に関する疑問や相談がしにくい:薬剤師が常駐していない施設の場合、薬についての疑問や相談がしにくい場合があります。
院外処方のメリット
院外処方には以下のようなメリットがあります。
- 専門的な服薬指導を受けられる:薬剤師が薬の用法や注意事項を丁寧に説明してくれるため、安全かつ効果的な薬の使い方を理解しやすいです。
- 薬の一元管理が可能:複数の病院を受診している場合でも、一つの薬局で薬の情報を管理できるため、薬の重複や相互作用などのリスクを低減できます。
- 豊富な薬の種類から調剤可能:薬局は病院よりも幅広い種類の薬を取り揃えているため、細かな症状やニーズに合った薬を受け取りやすいです。
- 病院の待ち時間が短縮される:病院で薬を待つ時間がなくなり、診察後すぐに帰宅できるため、診察効率が向上します。
院外処方のデメリット
院外処方には以下のデメリットがあります。
- 移動や手間がかかる:薬局まで足を運ぶ必要があり、高齢者や体調が悪い患者には負担となる場合があります。
- 費用負担がやや高くなる場合がある:薬局で「調剤基本料」や「薬剤服用歴管理指導料」などが加算されるため、院内処方に比べて負担が増えることがあります。
- 薬局の営業時間に制限がある:薬局の営業時間に合わせて受け取りを行う必要があり、病院の診察終了時間が遅い場合や休日診療の場合には受け取りにくくなることがあります。
- 混雑時の待ち時間が発生する:人気のある薬局や、処方せんを扱う患者が多い薬局では、待ち時間が長くなることがあります。
院内処方と院外処方を選ぶポイント
患者が院内処方と院外処方のどちらを選択するかを決める際には、次のポイントを考えると良いでしょう。
- 時間を節約したい場合や費用を抑えたい場合は院内処方が向いている
- 専門的な薬剤の情報を得たい場合や複数の病院の薬を一括管理したい場合は院外処方が向いている
- 体調や移動能力、利便性を考慮して選ぶ
これからの院内処方・院外処方の方向性
近年では、医療の質を向上させる目的から院外処方が増加しています。一方、患者の利便性を重視し、小規模施設では院内処方も見直されつつあります。今後は以下のような方向性が考えられます。
- 薬剤師による訪問指導やオンライン服薬指導の活用
- 院内処方施設での薬剤師常駐化の推進
- 患者のニーズやライフスタイルに合わせた柔軟な処方形態の提供
まとめ
院内処方と院外処方それぞれには明確なメリットとデメリットがあります。患者自身がそれらを正しく理解し、自身の状況やニーズに合わせて適切に選択することが重要です。
医療機関側も患者の利便性や安全性向上を図るため、状況に応じた柔軟な処方システムの提供が求められています。


